バラの病害虫

バラには病気と害虫が多く、その防除がバラ作りの成功の鍵です。
上手に防除するためのポイントは、まず”予防”をうまくすることと、
被害を早く見つけて大きくならないうちに完全に退治してしまうことが一番大事です。

バラのある生活

黒点病

黒点病
症状葉に黒い斑点ができ、やがて葉が黄色くなって落葉します。
発病時期6~7月、9月~11月の雨の多い時期に多発します。
また、加湿ぎみの庭では、春から秋まで継続的に発生します。
防除法感染の拡大をおさえるため、病状のある葉、落ちた葉を取り除き、薬剤散布をします。
とくに雨前、雨後の散布は効果が高くおすすめです。

サルバトーレME(3000倍液)
ダコニール1000(1000倍液)
ベニカ✕ネクストスプレー
ベンレート水和剤(2000倍液)

株元に敷きワラをして、雨水による「はね上がり伝染」を防ぐのも一案です

ウドンコ病

ウドンコ病
症状若葉の裏側がうっすらと白くなり、病気が進むとウドン粉をふりかけたようになり、葉はちぢれます。場合によっては花首やシュートにも発病します。
発病時期4月上旬~7月。9月~11月ごろ。30℃以上の高温に弱く、夏での発生は少ない。
防除法なるべく蔓延する前に散布します。被害が大きい場合は、一度切り戻してから薬剤散布。治療が早くおすすめです。

サルバトーレME(3000倍液)
ダコニール1000(1000倍液)
ベニカ✕ネクストスプレー
ベンレート水和剤(2000倍液)

肥料が不足していると、薬剤を散布しても治療が遅くなります。その場合は散布後、すぐに液肥などを与えてください。

ボトリチス病(灰色かび病)

ボトリチス病(灰色かび病)
症状主に花弁に発生し、表面にカビが密生し、蕾が侵されると花が咲きらずに腐ります。アザミウマ(スリップス)による花蕾への食害痕から菌が侵入して、被害を拡大させるともいわれています。
発病時期5~7月、10~11月
防除法花が傷んできたら早めに摘み取り、清潔さを保つだけで軽減できます。

ベンレート水和剤(2000倍液)
ダコニール1000(1000倍液)

アザミウマによる被害が多いなら、ベニカXネクストスプレーを散布します。

ベト病

ベト病
症状ベト病は、いわゆるカビの一種です。地中に潜んでいるベト病菌が長雨や水やりなどで葉裏に跳ね返り、その後、空気感染によって広範囲に蔓延します。昼夜の気温差が激しい時期や、夜間の湿度が高い時期でも多発します。症状としては、最初に葉が褐色や淡黄色の日焼けしたようなシミや斑点が生じます。症状が進むと、急速に落葉します。
発病時期6月、10~11月 梅雨、霧、露の発生期
防除法なるべく水やりは、株元だけに与え、乾燥ぎみに育てると拡大しにくくなります。

ベンレート水和剤(2000倍液)
リドミルの水和剤、粒剤

アブラムシ

アブラムシ
症状草緑色のゴマ粒大の虫で新芽、若葉、蕾の花首などで、バラの樹液を吸って害を与えます。繁殖力が非常に強く、群れを成して大きな被害を与えます。
発病時期年中発生。特に多いのは早春から夏と秋。
防除法ベニカXネクストスプレーを散布。
ミニバラならベニカXガード粒剤を土にかるく混ぜて駆除します。

チュウレンジハバチ

チュウレンジハバチ
症状幼虫・・・頭の黒っぽい光沢のある青虫で、若葉に群がって葉脈を残して食害します。
成虫・・・体長1.2cmほど。頭と羽根が黒く、腹部はオレンジ色をしています。成虫はバラを食害することはありませんが、メスは若枝に縦にスジを入れながら産卵管を刺しこんで産卵します。
発病時期幼虫・・・6月~11月、2~3回発生。
成虫・・・4月~5月上旬、7月~9月
防除法幼虫・・・大抵の殺虫剤で駆除できますが、対象薬剤としておすすめするのはハンドスプレータイプです。

ベニカXファインスプレー
ベニカXネクストスプレー

成虫・・・産卵中は産卵管を刺しこんでいるため、動作が鈍く捕殺しやすいです。
人を刺すことはまずありません。薬剤では上記の薬剤を散布して駆除します。

ヨトウムシ(ヨトウガ)

ヨトウムシ(ヨトウガ)
症状蛾の一種。成虫が夕暮れ~夜間にかけ、若葉の裏に100~200産卵します。幼虫は最初、表皮を残しながら群がるように食害。成長すると、分散しながら新芽や花弁、蕾を食害してゆきます。
発病時期5~6月、9~10月。
防除法スミチオン乳剤
オルトラン水和剤
ベニカXファインスプレー
ベニカXネクストスプレー

アザミウマ(スリップス)

アザミウマ(スリップス)
症状梅雨ごろから夏にかけて繁殖する、体長1~2mmの害虫です。新芽、新葉、花などを吸汁し、花では花びらが茶色く傷み、きれいには咲かなくなります。雑草、草花問わず、花びらを吸汁するため、一度増えてしまうと防除が難しくなります。また、食害された花から雨水が浸透しやすく、「灰色カビ病」も発生しやすくなります。
発病時期高温乾燥してくる5月下旬~10月ごろ
防除法小さくて数が増えやすい害虫なので、長期間効果が出る浸透移行性のある殺虫剤がおすすめです。

オルトラン水和剤
ベニカXファインスプレー
ベニカXネクストスプレー

ハダニ類

ハダニ類
症状クモ類に属する非常に小さな虫で、高温乾燥時に葉の裏側に大量発生し吸汁します。被害葉は白くサビたようになり、やがてかさかさになって落葉します。
発病時期早い時は4月下旬頃から見られ、初夏から秋の高温時によく発生。雨の少ない年、または雨の当たらない場所で多発します。春先に近くにある雑草や草花からバラに渡るケースが多いようです。
防除法発生初期にこまめに退治するのがコツ。薬剤は、とくに葉裏を重点に散布します。

ベニカXファインスプレー
ダニ太郎(1000倍液)

ハダニは水を嫌います。発生したら数日間、葉裏に散水すると減少させることができます。

バラシロカイガラムシ

バラシロカイガラムシ
症状バラシロカイガラムシは、バラの樹液を吸う害虫です。白色の貝殻状の姿をしたごく小さな虫で、増殖が速く、枝を覆いつくすほど大発生するとバラが弱ります。
発病時期産卵2回(4月、7月中旬~8月上旬)
幼虫2回(5月~6月、8月中下旬~9月)
防除法幼虫の発生期にカイガラムシエアゾールを散布。
冬ではハッパ乳剤を散布して駆除します。
株数の少ない時は、歯ブラシでこすりおとすのも効果的。

コガネムシ類

コガネムシ類
症状花にもぐり込み食害するのは小型種である体長1cmほどのハナムグリ。花も葉も食害するのは小型種のマメコガネ、大型種ではドウガネブイブイ、アオドウガネです。これらのコガネムシは、幼虫の時を地中で暮らし、1年近く根を食害するため植物を生育不良にさせ、甚大な被害を与えます。
発病時期ハナモグリ、マメコガネ
成虫・・・4月~5月ごろ、幼虫・・・5月~翌年の3月ごろ。

ドウガネブイブイ、コガネムシ
成虫・・・6月~8月ごろ、カブトムシと同様に夜行性です。
幼虫・・・7月~翌年の6月ごろ。
防除法幼虫には1か月持続するオルトランDX粒剤ベニカXガード粒剤を土に軽く混ぜたあと、水をかけて駆除します。

カミキリムシ

カミキリムシ
症状正式名はゴマダラカミキリ。成虫は白い斑点があるツヤのある黒色。幼虫は白っぽく、地際に近い茎や根の内部を食害します。1年近く潜伏し食害するためバラは弱り、被害が大きいと枯死します。
発病時期成虫は6~8月に発生し、おもに株元付近に歯で切り込みを入れ、そこに産卵します。
幼虫は7月~翌年の5月。
防除法地際に木くずを発見したら穴を探し、園芸用キンチョールE(エアゾール剤)を注入します。
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