バラの系統別特性

好きな色や花形だけで選んだ結果、
そのバラが信じられないほど大きくなって困ったことなどありませんか?
バラには系統によってそれぞれ固有の特性があります。
理想のバラの庭をつくるために、おもなバラの系統別の性質をご紹介しましょう。

バラのある生活
目次

早わかりバラの系統図

さまざまな色や形や香りで、今や2万品種以上もあると言われる現代バラですが、その祖先をさかのぼっていけば、わずか数種の原生種にたどり着きます。とても興味深い早分かりバラの系統図をご覧ください。

早わかりバラの系統図

系統別による分類

ガリカローズ系

ガリカローズ系

樹高1m前後の低木で、スリムな枝。主にクリムソン~ディープローズの花色が多く、花径は5~8cmが平均。春のみの開花。ほぼすべてに強い香りがあります。ある程度の寒さにも耐えられます。オベリスクに向いています。

ダマスクローズ系

ダマスクローズ系

非常に強いダマスクの香りがあります。やや開典型の優雅な枝。はっきりとしたトゲをもちます。主にピンクとホワイトの花色で、花径は8~10cmくらいが平均。春のみの開花。基本的に温暖な気候を好みます。

アルバローズ系

アルバローズ系

グレイッシュグリーンの清楚な葉。主にホワイトとソフトピンクの花色。花径は6~8cmが平均。春のみの開花。ほぼすべてに強い香りがあります。寒さに強く、やせ地にも強くなっています。ウォールに向いています。

ケンティフォーリアローズ系

ケンティフォーリアローズ系

枝が少なく、開曲型のものが多くあります。主にピンクの花色で花径は8~10cmが平均。春のみの開花。すべてに強い香りがあり、ある程度の寒さにも耐えられます。オベリスクに向いています。

モスローズ系

モスローズ系

蕾や花首、茎に苔(モス)状の繊毛がある系統です。花径は8~10cmくらいが平均。主にホワイト~ピンクの花色。春のみの開花で返り咲きするものもあります。強い香り。ある程度の寒さにも耐えられます。

ポートランドローズ系

ポートランドローズ系

ダマスクとチャイナの交配種で、芳醇な香りがあります。花色はピンク~クリムソンで、花径は8~10cmくらい。返り咲きする品種が多くあります。ある程度の寒さにも耐えられます。低いフェンス、トレリスに向いています。

チャイナローズ系

チャイナローズ系

四季咲き、繰り返し咲きが多い系統です。木立や半つる、つるとあります。花径は6~10cmくらい。花色はホワイト、ピンク、クリムソンと明るい色彩に富んでいます。甘い香り。交配により多くのバラの品種を四季咲きに導いたバラです。

ブルボンローズ系

ブルボンローズ系

現在のつるばらに近い樹形。軸のしっかりした枝で、半つる、つる性が大部分を占めます。花色はソフトピンク~ディープピンク、花径は10~12cmくらい。返り咲きのある品種も多く、非常に濃厚で芳醇な香りがあります。ある程度の寒さにも耐えられます。フェンス、アーチ、ウォールに向いています。

ティーローズ系

ティーローズ系

ティー(紅茶)のような香りをもちます。ハイブリッドティーの親。四季咲き、繰り返し咲きのものが多い系統。木立や半つる、つるとあり、幅が広いのが特徴です。花径は8~10cmくらい。花色はクリームサーモンピンクとアイボリーの色彩に富んでいます。

ノアゼットローズ系

ノアゼットローズ系

伸長力のある柔軟な枝を持つ系統です。基本的には半つる、つる性で、よく伸びます。繰り返し咲き、返り咲きの多い系統。花径4~6cmの花をひと枝に数輪咲かせ、花色はクリームイエロー、ピンクを主に色調に富んでいます。

ハイブリッドパーペチュアルローズ系

ハイブリッドパーペチュアルローズ系

現在のつるばらに近い樹形。軸のしっかりした枝で、半つる、つる性が大部分を占めます。花色はホワイト、ピンク、クリムソンとバリエーションに富んでいます。花径は10~12cmくらい。返り咲きのある品種が多く、さまざまな香りがあります。

ハイブリッドムスクローズ系

ハイブリッドムスクローズ系

繰り返し咲きの多い系統です。基本的には半つる性で、花径5~8cmくらいの花がひと枝に数輪咲き、放射状に枝を伸ばします。花色はクリームイエロー、ピンクを主に色調に富み、さまざまな香りがあります。ある程度の寒さにも耐えられます。フェンス、アーチに向いています。

ハイブリッドティーローズ系

ハイブリッドティーローズ系

花径10~14cmの大輪の花が咲く系統。春から晩秋まで咲き続け、優れた四季咲き性をもっています。花もちや香りのよい品種が多く、花色も多彩で色調に富んでいます。木立性で花壇への植え付け、鉢栽培にも向いています。

ポリアンサローズ系

ポリアンサローズ系

花径3~5cmの房になって咲く系統。品種によっては数え切れないほど咲きます。四季咲き、繰り返し咲きが多く、主に木立や半つる性。花色は多彩で色彩に富んでいます。フロリバンダの親。

フロリバンダローズ系

フロリバンダローズ系

花径6~8cmの房になって咲く系統。春から晩秋まで咲き続け、優れた四季咲き性をもっています。花持ちのよい品種が多く、花色が多彩で色調に富んでいることもこの系統の特徴です。木立性で花壇への植え付け、鉢栽培に向いています。

ランブラーローズ系

ランブラーローズ系

枝の長さが4~5mにもなる、ひじょうに伸長力のある系統です。花径3~6cmの花はひと枝に数輪、品種によっては数え切れないほど咲きます。花色は多彩で色調に富み、環境適応力が高く、冷涼地や日陰、やせ地などでも生育できます。フェンス、アーチ、ウォールなどあらゆる仕立てに向いています。

原種/作出時期による分類

ワイルドローズ

ワイルドローズ

原種、野生種ともいい、野生のバラをいいます。北半球に広く自生し、その地域の環境にあった形態と性質をもっています。

モダンローズ

モダンローズ

1867年、フランスの育種家ギョーによって作出されたハイブリッドティローズの第1号花「ラ・フランス」以降に作り出された現代バラをモダンローズと称します。

オールドローズ

オールドローズ

「ラ・フランス」以前に作出され栽培されていたアルバ、ガリカ、ダマスク、ケンティフォーリアなど、古典的でロマンティックな花姿と芳香をもつバラの一群をオールドローズと呼びます。

樹形による分類

ブッシュタイプ

ブッシュタイプ

「木バラ」のことです。枝が上に向かって伸びる直立性、半直立性、横張り性、半横張り性というように、枝の伸び方で細かく分類されることもあります。

クライミングタイプ

クライミングタイプ

俗にいう「つるバラ」のことです。生まれたときからつるのもの、枝変わりによるものなど様々です。返り咲き、一季咲きが大部分を占めます。花色は多彩で色調に富んでいます。フェンス、アーチ、ウォールなどに向いています。

シュラブタイプ

枝が弓なりに茂り、半つる性を示すものを主にいい、特性も様々です。素晴らしい景観を見せるものが多く、庭での演出に大きな効果を期待できます。

バラのブランド名

イングリッシュローズ

イングリッシュローズ

イギリスの育種家デビット・オースチンがオールドローズとモダンローズの魅力を合わせもつ新品種として作出したバラのブランド名。現在では、同様の特性をもつバラを広くイングリッシュローズと呼ぶことがあります。

ロマンティカ

ロマンティカ

フランス・メイアン社のロマンティカシリーズ。ピエールドゥロンサールもこの中のひとつです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次